右上臼歯部にワンピースインプラントによる治療がなされています。
ワンピースインプラントとは
インプラント本体とアバットメントが一体化したもので
その上に被せものを被せるスタイルのインプラントです。
今後全体の治療を行う上で、ベストではないと私は考えますので
3本とも撤去することを計画します。
実際の右上臼歯です。
金属フレームにレジン系素材で作製されています。
このタイプのインプラントに特徴的な歯肉の状態です。
被せものとの接合(ジョイント)様式に由来するものと考えます。
この状態のままでは長期の安定性に欠けると私は判断しますので
撤去することを選択します。
まずはラバーダムを装着して被せものを壊していきます。
無事に除去できました。
アップです。ブリッジを切断した際にメタルコアが露出したと考えられます。
ポンティック底面の陥凹している部分に歯石が沈着しています。
私はオベイドポンティック(卵型底面)を好んでいます。
レジン系(プラスチック系)素材特有の着色が見られます。
続いて前歯のメタルボンド(セラミック焼付け金属冠)も除去します。
セット時には高価であったはずですが、金属を使用している時点で
人体にとってはむしろマイナスと考えます。
除去しました。過去の除去痕がありますので
少なくとも2代目以上の被せものであったと考えられます。
こちらも特徴的な歯肉の状態です。
本日は、3本のワンピースインプラントのうち手前の1本を撤去します。
ワンピースインプラントはスクリューホール(ネジ穴)がありませんので
撤去ツールで撤去することができません。
撤去が困難であることは今後の加齢や運用を考慮してもプラスではありません。
つまり、撤去が困難であることが撤去の理由となっています。
まずは粘膜剥離を行い、状態を確認します。
長い研磨面が骨と接触するように埋入されており
生物学的幅径を維持できませんの一層の上皮組織が介在しています。
あくまでも個人的な見解ですが埋入ポジションが深すぎると感じます。
撤去にはへーベルが有効です。
慎重に動揺させていきます。
簡単には動きませんので、5倍速コントラにより周囲に切削を加えます。
撤去キットで撤去できれば、切削片は出ませんので、切削が必要となることも問題のひとつです。
いよいよ回転できるようになりましたら回して完了です。
小さなインプラントであっても、とても困難な処置です。
撤去後の状態です。
骨移植材を用意します。
撤去後のホールに骨移植材を填入しました。
縫合を終えました。
とりあへず仮歯で過ごしていただき、治療中に困らない状態に保ちます。
今後、スイスのストローマンインプラントによる治療を行います。
弊オフィスは治療費の安さでは勝負しておりません。
N・Eさん、山口県下松市からのお越しに恐縮です。
数多くある歯科医院の中から弊オフィスにお越しですので
治療方針は逃げない直球勝負のみと決めています。
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インプラント撤去も行う広島市の歯医者 三好デンタルオフィス