右上第一大臼歯部分にストローマン ピュア セラミック インプラント の埋入計画をCTシミュレーションします。
弊オフィスではスイスのストローマン社製 チタンジルコニウムインプラントを第一選択として使用していますが
チタンとジルコニウムからなるチタン合金は金属であるが故、受け入れ難い患者さんもいらっしゃいます。
その場合、同じくストローマン社製のピュア セラミック インプラント(ジルコニア製インプラント)を選択することが可能です。
ジルコニア製インプラントはアバットメントまでをワンピースで構成しているため
2ピースインプラントよりも埋入位置の正確性が求められます。
現在のところ、ストローマン社のジルコニアインプラントはワンピースタイプのみですが
2ピースタイプも今後発表される予定ですので、そうなりますとまた新たな時代が到来するかもしれません。
上下歯列模型の印象採得とフェイスボウトランスファーをいつものように行い、下顎の回転半径の近似値を得ます。
半調節性咬合器に上下歯列模型をフェイスボウを用いてマウントしました。
模型とCTデータを重ねて埋入ポジションを決定します。
術者の脳内イメージを作成する行程です。
サージカルステント(ドリルガイド)を製作してオペ前の準備は完了です。
いよいよ本日、インプラントオペに臨みます。
まずはサージカルステントの適合を確認し、パイロットドリルで安全領域までドリリングします。
ドリリング後に深度ゲージを挿入しました。
深度ゲージを挿入したままレントゲンを撮ります。
上の写真の状態で撮影したデンタルレントゲン写真です。
計画通りの角度にドリリング出来ています。
これ以上のドリリングは上顎洞に貫通しますので、この後はソケットリフト(上顎洞底拳上術)を行います。
歯肉の厚みをこのレントゲンと、浸潤麻酔時の針の刺入深度で測ります。
上顎洞底をオステオトームで拳上します。
オステオトームを槌打する際にはステントは使えませんので、脳内イメージがとても重要です。
骨のやわらかい方向に流されたり、上顎洞底の角度によって偏移しないように気を付けます。
ソケットリフトと最終ドリルサイズまでのドリリングを終えてインプラントを植えるインプラント床の完成です。
ストローマン ピュア セラミック インプラントを用意します。
挿入ジグをスナップフィットさせ、ジルコニアインプラントをピックアップします。
モーター埋入します。
無事に埋入を終えました。
粘膜を剥離しないフラップレスオペは術後の出血がほぼ無く、痛みも少ない傾向があると考えます。
(弊オフィスの患者さんからの聞き取りから)
アバットメントまでがワンピース構造になっているティッシュレベルインプラントです。
インプラントの骨結合の治癒を待って、この突起の部分にかぶせもの(セラミッククラウン)をセットします。
上下顎の咬合位の確認です。
アバットメントが突出した状態になりますので、適切な埋入トルクで埋入できることが重要です。
骨レベルインプラントでは、ゆるい状態でも封鎖スクリューで高さを低くしておけば安静を得られますが
ワンピースインプラントは安静が得られにくい状態であるからです。
上下のクリアランスも適切でなければなりませんし、埋入位置がすべてです。
2ピースインプラントに比べ融通性が低いため、術者の力量が試されるインプラントといえます。
埋入オペ後のデンタルレントゲン写真です。
安堵する瞬間です。
「声をかけてくださりながらのオペだったので安心でした」とT・Aさん。
無事にインプラントオペを乗り越えられました!
咬めるようになる日がとても楽しみですね。
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