※外科的内容が含まれますのでご注意ください。
※広島でも安全なインプラント治療の普及のため公開しています。
一昨日と同じ部位(右下インプラントブリッジ)にインプラントオペをしました。
まずはいつものようにCT画像でシミュレーションします。
オレンジ色の管状のものは下歯槽神経管です。損傷してはいけません。
6月に撮影したCTデータを利用しています。
本日のスタート時です。今までは義歯をお使いでした。
義歯を出し入れせずに済み、何でも食べられる状態を目指します。
義歯を外したところです。
残っている端の歯は義歯が引っかかっていたためダメージがあります。
この歯も今後治療します。
インプラントはオペ後、治癒期間が最低6週間必要ですので
その間に出来ることは後回しにします。
局所麻酔のあと、まずは模型でシミュレーションした部分にマークをします。
ドリルで予定地点にマークをしたところです。
メスで切開後、歯ぐきをめくります。
術前のCT通り、骨は充分にありますが、山の尾根のように先端の幅が狭くなっています。
これを宅地造成のように平坦化してからインプラントを植えます。
平坦化が完了しました。骨の横幅が確保されました。
歯ぐきをめくらず植える方法も最近では流行していますが、平坦化が出来ないため
とてもご高齢の方・止血困難な方で無い限り、お勧めできません。
まずは手前側のインプラント植立方向に
安全な深さまでドリルで穴を堀りピンを立てます。
この状態でCTをクイックモード(X線照射量1/2)で撮影します。
(この写真はCT撮影後、深さ・方向修正後の太いピンのものです。)
ピンを立てた状態でのCT画像です。
骨を平坦化していますので、シミュレーションを修正し、骨の垂直幅を計測します。
長さ・方向を修正したシミュレーションです。今の角度で良いようです。
手前のインプラント予定地の断面です。
今の深さ10mmと、この方向で良好です。
オレンジの部分は下歯槽神経ですので損傷してはいけません。
計測値では下歯槽神経まで2.5mmの余裕があります。
インプラントの長さは2mm刻みです。
1段階長いものにして12mmにしたとすると余裕が0.5mmしか残りません。
CTとはいえ誤差がつきものですから、ギリギリを攻めるのは危険です。
あくまでも安全が第一です。
奥側の断面です。
8mmのインプラントですと下歯槽神経までのゆとりは2.1mmで安全です。
スイスのストローマンインプラントでは8mmのインプラントでも充分な力が発揮できます。
またきちんとお手入れすれば寿命は人間を超えますのでご心配ありません。
上:奥側用:スタンダードプラスインプラントΦ4.8 WN 8mm
下:手前用:スタンダードプラスインプラントΦ4.1 RN 10mm
ドリルでインプラントを植える穴を拡大して植えたところです。
手前側は少し頬側に傾斜させています。
ミラー像
奥側は少し手前側に傾斜させています。
インプラントの位置づけはとても重要です。
下顎の小臼歯は上の歯との噛み合わせの為、少し頬側へ傾斜させ、
大臼歯は天然歯の並びに倣って少し手前へ傾斜させるスタイルを好んでいます。
インプラントを植えるためのパーツを外したところです。
インプラント本体の上部が見えています。ここに保護キャップをします。
保護キャップ(ヒーリングキャップ)です。黄色いのは抗生剤の軟膏です。
薬効よりも、インプラントと固着しないためのグリスのような働きです。
保護キャップをネジ止めしました。余分な軟膏はぬぐいます。
これは骨を削った際の切削片と血液の混ざったものです。
専用のバキュームのフィルターで濾しとっています。
血液と混じってゲル状になっています。大豆4粒分くらいあります。
これをインプラント周り、および骨が不足しがちなところへ戻して縫合します。
縫合完了しました。いつものように縫合はある程度で充分です。
このあと炭酸ガスレーザーを5分以上照射して温熱効果による治癒促進を期待します。
ミラー像
治癒していきますと、保護キャップの周りにきれいに歯ぐきが引き締まっていきます。
オペ後のレントゲンです。
順調に治癒すれば6週間後にはプラスチックの仮歯で噛めるようになります。
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三好デンタルオフィスではいつもこのようにインプラントオペをしています。
記録に残すことで的確に改善できます。
高額で、なおかつ簡単にやり直せる治療ではありませんので
なによりも見せることの出来るオペが患者さんの安心につながると考えています。
どんなことをされたのか写真が無いのは不安だと思います。
ブログに掲載していますのは特別なケースではありません。
あなたの場合にも同じように写真を撮り、オペを進めます。
(どうしてもブログに載せて欲しくないという方にも対応できます)
「早い安い」ではなく、「安心確実」に重点を置いています。
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