本日は日曜日ですがインプラントオペをいたしました。
インプラントオペに関しましては休診日であっても対応可能です。
※外科処置が含まれますのでご注意ください。歯科医療の技術向上のため公開しています。
さて、今日は右下の第二大臼歯・第二小臼歯の部分に計2本のインプラントを植えます。
入れ歯が痛くて噛めないというお悩みです。
治療前には歯科用CTを撮影します。
これは5月に撮影したものにシミュレーションをしています。
手前と奥でインプラントブリッジ(橋渡し)にして3本分の歯を作ります。
オレンジの筋は神経の道筋です。これを損傷してはいけません。
本日のスタート時です。骨はたっぷりありますので上の歯とのスペース確保のため
骨の形を修正して(骨の高さを下げて)インプラントを植えます。
局所麻酔後に事前に模型でシミュレーションした部分をマークします。
歯ぐきを開いて骨をチェックします。CTで調べた形態と同じです。
この状態から骨の頂上をならして整地します。(宅地造成のように)
こうすることで長期にわたって安定的なインプラント治療が可能です。
しかし、骨を削ると植えるインプラントの長さを考える必要があります。
手前のインプラントを植える予定地にある程度穴をあけ、
深さを測る金属の棒を挿入後CTを撮影します(X線照射量1/2のクイックモード)
もう少し手前に傾斜させてよいようです。
手前側の断面です。頬側にもう少し傾斜させる必要があります。
14mmのインプラントを植えてもまだ下歯槽神経まで5mm程度距離があります。
(ピンが入ったまま撮影していますので上顎の位置は正しくありません)
奥側です。骨の上面が整地されて平面になっているのがわかります。
12mmのインプラントを植えてもまだ3mm弱下歯槽神経まで余裕があります。
CTでの分析後、インプラントを植えるための穴を徐々に大きくします。
頬側にも充分な骨があることがわかります。
ミラー像
深さを測るものさしの金属棒が入っています。
上の歯と噛める位置であることを確認します。
いよいよインプラントを植えます。全幅の信頼を寄せるスイスのストローマン社製です。
上:手前用:スタンダードプラスインプラント Φ4.1 RN 14mm
下:奥側用:スタンダードプラスインプラント Φ4.8 WN 12mm
所定の位置・深さに植え終わりました。角度も思い描いたとおりです。
上部についているのは植えるためのパーツでこの後取り外します。
植えるためのパーツを取り外しました。インプラント本体の頭部が見えています。
ミラー
インプラント本体の頭部が見えていると損傷することがあるのと、
歯ぐきの形を整えるために保護キャップ(ヒーリングキャップ)をします。
このコック帽のような部分に歯ぐきが寄り添って治癒していきます。
これは骨を修正したりインプラントを植える穴を形成した際に出た骨の細かいかけらです。
フィルターのついた専用のバキュームで吸って茶漉しのようにこしとっています。
茶杓一杯分くらいは採取できますので、これをインプラントの周りに戻して縫合します。
ミラー像
縫合終了時です。あくまでも自然治癒のお世話になります。
このあと炭酸ガスレーザーを離して照射し血流を増やし治癒促進を図ります。
オペ終了時のレントゲンです。
最後にCT撮影しても良いですが、必要の無い限り、X線照射量を考え控えています。
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先日CT(ヨシダ ファインキューブ)を修理していただいたおかげで
本日もベストを尽くすことができました。
CTが無ければもう少し短い”無難な”インプラントを選んでいたと思います。
ただCTでも誤差はありますのでギリギリの数値では危険です。
どんなに高性能な機器でも使い手以上の性能は出せません。
弊オフィスでは次の火曜日・金曜日にもインプラントオペ予定しています。
今日のケースの経験を生かし、満足することなくさらに完璧を目指していきます。
一人でも多くの治療でお困りの方に。
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広島 三好デンタルオフィス