右下第一小臼歯部分に約40年前に植立されたブレードタイプインプラントが存在しています。
画像左隣の右下第二小臼歯と連結されています。
周囲骨が炎症によって溶けて肉芽組織の中に浮いている状態で、噛めない状態になっています。
インプラントの撤去をご希望です。
このインプラントを撤去した後の骨欠損部分には骨増生処置が必要です。
実際の右下小臼歯です。外観では排膿などはありません。
まずは連結部分を切断しました。
切断と同時にメタルコアまでが取れました。
連結してあったことで、インプラントと持ちつ持たれつのような関係を保っていたと考えられます。
周囲の歯肉を切開するとインプラントもかなりの動揺を見せます。
インプラントは容易に取ることができました。
人工サファイアインプラントの一種と考えられるブレードタイプのインプラントです。(バイオセラム?)
インプラント撤去直後の状態です。
粘膜を剥離して炎症性の肉芽組織を取り除きます。
不良肉芽を骨表面から剥がすことができました。
骨表面から剥離した不良肉芽組織を切除し、皮質骨穿孔(デコルチケーション)を終えました。
デコルチケーションとは骨内部からの出血を促し、骨性の治癒を期待するためです。
コラーゲン膜(コラーゲンメンブレン)を骨欠損の外側に挿入して囲いを作り、骨移植材を骨欠損部位に填入しました。
コラーゲンメンブレンで表面を保護して軟組織の侵入を防ぎます。
粘膜弁内部に減張切開を加えて伸展性を増やし、吸収性縫合糸で縫合しました。
撤去したブレードタイプインプラントです。
T・Mさん、よくぞ頑張られました。
今後の治癒が楽しみです。
広島市の自由診療専門歯科 三好デンタルオフィス