オフィス内の歯科用CTで撮影したデータです。
右上第二小臼歯と第一大臼歯の部分に2本のインプラントの埋入を計画します。
骨の厚みは6㎜程度ですので、ソケットリフトを行い、上顎洞底を拳上して長さ8㎜のインプラントを埋入します。
いつものようにフェイスボウトランスファーを行い、顎関節と上顎歯列の位置決めをします。
KaVoプロターevo７咬合器に上下顎の模型をマウントしました。
CTデータと重ね合わせて、埋入ポジションを決定します。
サージカルステント（ドリルガイド）を作成してオペに臨みます。
さて、いよいよ本日の午後、インプラントオペの開始です。
まずはサージカルステントの適合を確認します。
実際の右上臼歯部です。
第二小臼歯部分は抜歯後にサイトプラストによるソケットプリザベーションを行っています。
写真左端の第二大臼歯はメタルボンドですので今後除去して治療します。
ステントを用いてドリリングし、スターティングポイントをマーキングしました。
まずは安全な深度までドリリングし深度ゲージを挿入してレントゲンを撮影します。
撮影したレントゲン写真です。
予定通りの角度ですので、ドリルステップを進めます。
手前を基準に奥を、奥を基準に手前を、とドリルサイズを拡大していきます。
すでにオステオトームとマレットで槌打して上顎洞底を拳上しています。
最終段階の一歩手前で粘膜を剥離して実際の骨の状態を確認します。
第二小臼歯部分のソケットプリザーベーションが奏功しています。
CTデータより粘膜を剥離する前から骨の状態がある程度分かっていることが大きなアドバンテージです。
スイス ストローマン社のボーンレベル テーパード インプラントを用います。
手前側（第二小臼歯）にはφ4.1㎜、長さ8㎜を埋入します。
奥側（第一大臼歯）にはφ4.8㎜、長さ8㎜を埋入します。
無事に埋入を終えました。
青い色の挿入ジグを外しました。
現行の挿入ジグはネジではなく、フリクションフィットになって引っ張るだけで取れる様に進化しています。
封鎖創にして2回法としますので封鎖スクリューを用意します。
封鎖スクリューでインプラントフィクスチャーのスクリューホールを封鎖しました。
ナイロンの縫合糸で縫合してインプラントオペの終了です。
約1週間後に抜糸し、埋入トルクは十分でしたので約6週後から咬んでいただく予定です。
インプラントオペ終了時のレントゲン写真です。
上顎洞底が持ち上がっていることがうっすらと判ります。
M・Hさん、年内に無事インプラントオペを乗り越えられました！
いつも興味深いお話をお聞き出来てとてもありがたく思っています。
来年は咬める年になりますので私も楽しみにしています。
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