左上第二小臼歯部分に植えられたインプラントの撤去をご希望です。
金属アレルギーによる皮膚症状や埋入ポジションが大臼歯に近接していることからご決断です。
実際の左上臼歯部です。
写真においてインプラントの左隣の左上第一小臼歯はクラウンとメタルコアの除去を行い、再根管治療まで終えています。
インプラント撤去時に強い力がかから無いように築造を行う前の段階で留めています。
再根管治療後のレントゲン写真です。
インプラントは上顎洞底を超えているように見えます。
薄い骨や粘膜で覆われていると考えられますが撤去すると上顎洞と交通する可能性がありますので
封鎖する処置を行います。
前後的な位置としては大臼歯に近接しています。
アップです。
ヒーリングキャップの段階で大臼歯に接触しています。
弊オフィスではどんなメーカーのインプラントでも対応できるように準備しています。
ドライバーも各種揃えています。
まずはヒーリングキャップを回して取ります。
ヒーリングキャップが無事に取れました。
インプラントフィクスチャーのスクリューホールが見えてきました。
ノーベルバイオケア社のリプレイステーパードインプラントもしくはそのデッドコピーに間違いありません。
ここからはインプラント撤去に向けて手順を進めます。
撤去の柱となるフィクスチャーリムーバースクリューを選択します。
ヒーリングキャップのネジ径とピッチにあったものを選びます。
トルクレンチを用いて適正なトルクでインプラントに締結します。
フィクスチャーリムーバースクリューを締結しました。
続いてフィクスチャーリムーバーの出番です。
先ほどのフィクスチャーリムーバースクリューに締結します。
強大なトルクで逆回転させ緩ませます。
この操作にはノウハウが必要です。
緩んだあとは慎重に回して撤去します。
無事に取れました。
アップです。
もし、この手法で取れなければ粘膜を剥離して骨を切削し、なんとしてでも除去します。
いつでも切り替えられるように準備を整え、逆回転させる方法に臨んでいます。
インプラントを撤去した穴(撤去窩)の奥は上顎洞と交通しているかもしれませんので
エアーブローや水洗を行わず、クリーンな状態のまま封鎖処置へと移ります。
まずは粘膜を頬舌的に封筒状に剥離します。
d-PTFEメンブレン(膜)であるサイトプラストを用います。
適切なサイズにトリミングして先ほど封筒状にした粘膜下部の骨の井戸状の穴の上に置きます。
抜糸不要な吸収性の縫合糸で縫合しました。
サイトプラストはほぼ見えない状態になっています。
およそ6週後にメンブレンを除去します。
ネック部分の直径約4㎜、全長約14㎜のテーパー型インプラントでした。
※このインプラントそのものに問題があるというわけではありません、念のため。
T・Sさん、幸運にもスムーズに取れて私もとてもうれしいです。
皮膚科的症状がよくなりますように祈っています。
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