※外科処置・専門的な内容が含まれます。
治療技術の向上・患者さんの知識向上のため公開しています。
左下奥歯のインプラント治療が完成しました。
長い道のりだったと思いますがよく乗り越えてゴールされました。
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初診時は2本とも噛むと痛い状態でお困りでした。
金属によると思われる歯ぐきの黒変もあります。
デンタルレントゲン画像です。(ビスタスキャンミニ)
奥歯2本の根の先にはあまり病変がないように見えます。
弊オフィス内で撮影したCT画像です。(ヨシダ ファインキューブ)
奥歯2本の根の先に大きな病変(黒くなっている部分)があります。
デンタルレントゲンのみですと診断できない領域です。
残念ですが根の治療ではもう治癒する可能性が低いことをお伝えしました。
治療選択肢のご説明後、抜歯およびインプラント治療を選択されました。
抜歯後のデンタルレントゲン画像です。
抜歯後最低2ヶ月は治癒を待ってからインプラントオペに臨みます。
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抜歯後2ヵ月後のインプラントオペ直前です。
黒い部分はまだ残っています。
現在流行している抜歯してすぐにインプラントを植える抜歯即時埋入では
病変のあったところへインプラントを植えてしまうことになります。
弊オフィスでは特殊な例に限り抜歯即時埋入を行っています。
ストローマン社 ボーンレベルインプラントを2本植えました。
このケースのオペに関してはこの記事に書いています。
インプラントを植えた直後のデンタルレントゲン画像です。
インプラントを植えてから3ヶ月後です。オペの傷はほぼ治りました。
黒い部分の切除と歯ぐきの形を整えるため2次オペをします。
黒い部分はやはり骨に金属粉末が迷入していました。
それを除去し黒変した歯ぐきを切除し縫合して1週間後です。
インプラント本体にコック帽の変形のようなキャップを締結して歯ぐきを寄り添わせます。
歯ぐきの治癒を待ってからインプラント本体に適切な柱をレンチで締結します。
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柱(アバットメント)を適切なトルク(35Ncm)で締結しました。
歯ぐきの黒い部分はもうありません。
セラミックの歯をアバットメントの上部にセットするため型どりします。
型どりから模型の作製についてはこの記事に書いています。
お口の模型(コピー)が出来ました。ここまでは私がしています。
ここで歯科技工士さんにジルコニアセラミックスクラウンの製作を依頼します。
完成したジルコニアセラミックスクラウンです。
かぶせ物のことを日本語で冠(カン)、英語でクラウンと呼びます。
製作は広島市西区古江の歯科技工所 ZAM 白井さんに依頼しています。
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セットしました。取ろうと思えば取れるセメントで固定しています。
2度と取れないのはメインテナンス時に困ることがあります。
セット後のデンタルレントゲンです。
許容できない段差・セメントの取り残しがないことを確認します。
完成後にはインプラント治療情報カードをお渡しします。
遠方で取れたなどのトラブル時に役立つためと
治療経験の浅い歯科医師による誤った・無用な治療介入を防ぐためです。
治療前(ミラー)
治療後(ミラー)
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抜歯からスタートしますと足掛け6ヶ月の治療でした。
インプラント部分が治癒する期間にその他の部分も治療をしています。
このケースの場合、インプラント2本の直接的な治療費は
オペから完成までのすべてを含み 735,000円です。
(治療費は医療費控除の対象となります。)
弊オフィスはいわゆる「街の歯医者」ですがいつもこのスタイルで治療しています。
このケースが完璧な治療だとは申し上げません。
次のケースではより良い結果を出すために日々改善しています。
それが治療のチャンスをくださった患者さんへの礼儀だと考えています。
歯科治療はやり直しがとても大変です。
治療費の安さ・早さ・豪華な待合室・肩書き ではなく
治療の本質に主眼をおいて適切に歯科医院選びをなさることをお伝えしたいのです。
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